ベートーヴェン、ピアノソナタ第30番、第31番、第32番

誰にでも「Bad Day」があるとしたら、昨日はおそらくそれだった。そこに居合わせた誰もが「なんか今日ついてないな」と思ったーとしてもおかしくなかった。内田光子が弾くのは、1820年から1822年にかけて書かれたベートーヴェン最後の3つのピアノソナタである。4月5日のロンドンを皮切りにして、彼女はひと月のあいだ、このソナタのリサイタルでヨーロッパ6都市を巡る。ベルリンは4つめ(ちょうど弾きこなれたころ)の訪問地で、いずれも一夜限りの独演会である。

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ラフマニノフ、ピアノ協奏曲第3番

べルリン・フィルハーモニーは久しぶりのほぼ満席。DSO(ベルリン・ドイツ交響楽団)の演奏はこれまで聴いたことがなく、ピアニストは代役指名を受けた藤田真央。彼の演奏もはじめて。楽しみである。

この夜の指揮者オクサーナ・リーニフは、焦げ茶の太い帯のようなベルトを細身のウエストに巻きつけていた。わたしはすぐにウクライナの伝統的な戦士の衣装を連想してしまう。こちらの席は彼女を斜め前方から見据える位置にある。そのせいもあったはずだけれど、視線を外すことがなかなかできなかった。

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