じわじわとドイツが染みだす

思いもしなかった自分の変わりように、ふと気付くことがある。「やっと暖かくなったね!(Endlich!)」のセリフをすれ違うすべての隣人知人と交わしたんじゃないかと思う、そんな週の土曜の夕方は、きっとその時だ。

たとえばこんなようなことである。

1. 暖かくなったらとにかく太陽の光に当たりたがる

2. 晩御飯を冷たいものだけ(Kaltes Essen)で済ませても平気

3. 言いたいと思ったことは言い、聞きたいことは聞く、極力ストレートに(ドイツ式)、でもできたら感じよく(日本式の名残り)

4. 週末の市場(Wochen Markt)で野菜屋のおじさんからマスカットをパッと一粒差し出されたら、快く「Danke!」と試食する。マスカットが洗われたものかどうかとか、わたしの手がほとんど綺麗でないことについては気にならない。そしてマスカットが酸っぱい時には「また次のときに!ダンケ、よい週末を!」と買わずに笑顔でお店をあとにする

5. サンダル(BIRKENSTOCK)に靴下を履く

6. この季節にだけ現れる赤いイチゴと白いアスパラガスに熱狂する

ちなみに土曜日には3. 以外の全部が起こりうる。しかしわたしの自覚がないだけで、3. こそ毎日(曜日に関わりなく)起きているのかもしれない。さらにじわじわとドイツが染みだしてきてこのリストが(間違いなく)長くなることは、おそらく避けられないという気がする。