うまくわからない

髪に触れるのが本職のFは、言葉と遊ぶのも好き。「コンニチハ、ゲンキ??デシタカ」いつも日本語の挨拶とともに現れる。

今日、ひょんなことからわたしが「黒っぽい(schwarzig: シュバルツィヒ)ってドイツ語でも言えるよね?」と聞いたら、「言わないよ」と教えてくれた。それですこし考えてからすぐにこう付け加えてくれる。「白色と黒色は色の両端、対極にあるから『ぽい』とは言えないんだ。白であるか、白でないか。黒であるか、黒でないか。それしかない。でも、そのあいだに存在するすべての色は『ぽく』なれるんだよ。」

ふむ・・そう。え、そうなの?わかるようで、わからないような、わからないようで、わかるような、結局うまくわからない。ぼんやりしていたら、髪はすっかり仕上がっていた。鏡に映ったわたしの顔は白っぽい黄色ではなくて、黄色っぽい白で、あるいはただ青白かった、かもしれない。